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疲労

足は第二の心臓と呼ばれるくらい重要な役割を持つ器官でもあります。
ですが、日本では多くの場合、ほとんどケアをされることなく過ごされています。ケアを行わないことによる弊害と、家でできる簡単なケア方法をここではお伝えします。

ファティーグ
扁平足と疲労
凹足と怪我
立ちっぱなしの弊害
足のセルフケア
扁平足と疲労
凹足と怪我
立ちっぱなしの弊害
足のセルフケア

扁平足と疲労

扁平足は、バイオメカニクスの観点から見ると、足が回内することで足部内側アーチが落ち込んでおり、足部の構造体としては結合が緩いといえます。それを支えるために局所的に足部内在筋や腓腹筋などのふくらはぎの筋群が使われることで筋疲労を起こします。この筋疲労に加えて、局所的な筋肉への負荷が加わることが痛みにも繋がってきます。扁平足の場合は、アーチの落ち込みをカバーする形で使用されることが多い後脛骨筋腱や長母趾屈筋腱に痛みをもたらすケースが多いです。また、後脛骨筋などが引っ張られて炎症することで、足の内側が腫れてしまう場合もあります。
さらに、足部の構造の結合が緩いことで、体の重心位置などが変わるとふくらはぎや太腿などの筋肉も姿勢安定のために緊張し続けることになります。これが長く続けば、普通の状態よりも疲労しやすかったり、下肢骨格筋のポンプ作用がうまく動かないことによる静脈還流の乱れや悪化も起こりえます。
これらの問題は、足が内側に倒れ込むのを支えることで劇的に良くすることができます。

凹足と怪我

凹足は踵部が外側に倒れすぎる(回外)ことで内側縦アーチが上昇してしまう状態を指します。甲が高くなる他、アーチが高くなることで接地面が通常の状態よりも減り、踵や中足部への局所的な圧力が高まるのです。この場合、足への衝撃吸収がうまく行えずに疲労骨折につながってしまったり、地面と接地する面積が少ないために安定感を失って捻挫などにもつながりやすくなります。
また、凹足では関節がロックされてしまうので、足関節を含めて関節の動きが減少してしまいます。歩行時にはアンクルロッカーが制限されるため、トーアウト歩行になりやすくなります。トーアウト歩行では足首はさらにロックされてしまうため、体を前に持っていくために足の内側を転がす歩き方になります。このパターンの方は、親指の外側にたこができて痛みを感じたり、歩きにくくなる傾向があります。
モートン病のリスクが高まるのも凹足の特徴となります。モートン病とは足の指へと向かう神経が、指の付け根の部位で圧迫を受けることで生じる神経障害です。凹足によって中足骨の頭が下を向くことが構造的な原因となります。前足部への局所的な圧力が高まるのでMP関節(指の付け根の関節)に負担がかかり、神経が擦れてしまい神経鞘腫ができやすくなってしまいます。

立ちっぱなしの弊害

足は『第二の心臓』といわれており、人にとって大事な役割を持っています。足元から血流を送り返すポンプ機能が正常に働かなくなると、静脈の環流だけでなく、リンパの流れも悪くなり、浮腫や疲れやすさにつながります。ですが、立ちっぱなしや座りっぱなしなど、過度な負荷がかかることで、この機能は乱れてしまいがちです。加えて、乱れた姿勢は足の変形を招き、ひいては膝・腰への負荷、肩こりなどへと繋がっていきます。まずは、足元から姿勢を整え、ポンプ機能をはじめとした足の機能をしっかりと守ることが大事です。
このポンプ機能は、正しい接地角で立ち、足の内側への倒れ込みをしっかり支えることができれば維持することが可能です。正しく立つことで、足への過剰な負担を減らすことができるほか、足裏が正しく圧迫されることで血液循環を促すことができます。
扁平足や凹足のままだとこの正しい接地角をとるのは難しいので、運動やインソール使用での解消が必要となります。別のサポート方法としては弾性ストッキングの使用も有効です。弾性ストッキングを履いた状態で運動を行うと、失われたポンプ機能を戻すのに役立ちます。立っている時、歩いている時にしっかり履いてもらうことで、浮腫み解消にもつながります。

足のセルフケア

足は全身の10%の骨が集まって作られた複雑な造形である上に、わずか全身の3%の体積でで全身の体重を支えています。足のバランスは乱れやすいうえに、足の角度が変わることで、体軸がずれ、膝や腰をはじめとした全身の痛みや不調につながる恐れがあります。
これ以上の悪化を防ぎ、機能を少しでも回復させるために、4つのセルフケアを学びましょう。
足のセルフケア
01. アキレス腱伸ばし
①壁際に立ち、両手を壁につける。
②伸ばす足をうしろに一歩下げ、爪先を壁に対して垂直に向ける。
③踵を床につけたまま、前脚の膝をゆっくりと曲げ、後方の足のアキレス腱が伸びるのを感じる。
④伸びを感じた位置で30秒間キープ。ゆっくりと足を戻したら反対足も同様に行う。左右3セット。
02. アキレス腱伸ばし(ヒラメ筋)
①片膝を立てた状態で床に座る。下の足は正座と同様に畳む。
②両手を床につけたらゆっくりと体重を前にかけていく。胸で立てた足を押すようにするとよい。立てた脚の踵は床につけたままにする。
③ふくらはぎに伸びを感じたらそのまま30秒キープ。ゆっくりと元の姿勢に戻ったら反対足も同様に行う。左右3セット。
03. 足裏ほぐし
①素足で椅子に座ったら、ボールを床におく。テニスボールかゴルフボールがよい。
②土踏まずのあたりでボールを軽く踏み、痛気持ちいい程度に体重をかけながら足裏全体に当たるように転がす。テレビやパソコンを見ながら気持ちがいいと感じるところを重点的にほぐすのがおすすめ。
04. 足指トレーニング
①床に長めのタオルをしく。
②タオルの端に両足指をおく。
③踵にやや体重をかけて足指を浮かせ、指の力だけでタオルを手前に引き寄せていく。端まで手繰り寄せたら、再び伸ばしてもう一度。2セット。終わった後は、指1本ずつを引っ張ったり回したりしてほぐしておく。足指を握った際に指関節が浮き出るようになるとインナーマッスルが鍛えられている証拠。

医師監修:村井峻悟 先生 李家中豪 先生
理学療法士監修:河辺信秀 先生

足と歩行の診療所 荻窪院・蒲田院グローバルポダイアトリーパートナークリニック